外国人労働者の採用を検討する企業様には、それぞれ理想の従業員像があるかと思います。
弊社とお取引のある企業様から、理想としてよく挙げられるのは、以下の3つです。
・日本語が堪能
・仕事への理解が早い
・コミュニケーション能力が高い
この中でも、特に「日本語能力」に関しては、強い理想を持っている企業様が少なくありません。
しかし、全てを兼ね備えた外国人労働者の採用はなかなか難しく、理想にこだわった結果、採用がスムーズに進まない企業様も多くいらっしゃいます。
そこで、今回のコラムでは「企業(自社)にとって理想の外国人労働者を採用する秘訣とは?」をテーマに、採用を成功させる2つの秘訣とその理由をご紹介します。
・秘訣1:日本語能力が少し低い外国人とも積極的に面接をおこなう
・秘訣2:外国人労働者の「熱意」を重要視して採用する
これらを意識して採用を進めれば、企業様にとって理想の外国人労働者を採用できる可能性がグッと高まるのです。
・初めての外国人労働者の採用を検討している企業様
・理想の外国人労働者の採用に苦戦中の企業様
どちらにも、必見の内容になっていますので、ぜひ最後までお読みください。
秘訣1:日本語能力が少し低い外国人とも積極的に面接をおこなう
外国人労働者を採用する際、多くの企業様が「日本語能力」を重要視しています。
確かに、日本語能力が高い外国人の方が、業務の理解が早く、即戦力になる可能性は高いです。
しかし、理想の外国人労働者を採用したいのであれば、「日本語能力が少し低い外国人」とも積極的に面接を進めることをおすすめします。
その理由は大きく3つあります。
・採用倍率が高いから
・専門知識や技術力が高い人材を見落とす可能性があるから
・日本語能力が低い=コミュニケーションが下手、ではないから
一つ一つ説明していきます。
理由1:採用倍率が高いから
日本語能力が高い外国人労働者は少ないため、企業からの需要も高く、採用倍率は高い傾向にあります。
そのため、「理想的な人材だ!」と即内定を出したとしても、受諾されず、採用活動が長期化する危険性があるのです。
「日本語能力が高い外国人」にこだわり過ぎ、外国人採用自体が難しくなると、人手不足はいつまでも解消されません。
面接時点で、日本語能力が企業様の希望に達していなくても、業務や社内研修を通して、後から底上げすることは十分可能です。
今すぐに高い日本語能力が必要でない場合は、希望の日本語レベルを少し下回る外国人とも、積極的に面接するほうが、良い人材に巡り合える可能性が高いのです。
理由2:専門知識や技術力が高い人材を見落とす可能性があるから
外国人労働者の中には、日本語能力はあまり高くなくても、専門知識が豊富で高い技術を持っている方もいます。
高い日本語力と同様に、高い技術力を持った外国人労働者も大変希少な存在です。
「日本語能力が高い外国人」に固執することで、そのような希少な外国人人材を見落としてしまうのはもったいないですよね。
面接をしてみると、実は企業様にとって重要なスキルを持った人材だった、という可能性もあります。
ぜひ、柔軟な気持ちで多くの外国人労働者と面接をしてみてください。
理由3:日本語能力が低い=コミュニケーションが下手、ではないから
日本語能力が高くないからといって、コミュニケーションが下手とは限りません。
報連相がしっかりしている方や、異文化を理解しよう、積極的に話そう、といった、コミュニケーション力の高い方も多くいらっしゃいます。
日本人の採用を思い出してみてください。「書類の評価は高くなかったが、会ってみたら入社してほしいと思った」という従業員がいらっしゃるかと存じます。
企業様にとって理想の人物がどうかは、実際に面接で会って判断するのが一番です。ぜひ、日本語能力に固執せずに、多くの外国人労働者にお会いください。
秘訣2:外国人労働者の「熱意」を重要視して採用する
日本語能力しかり、ほとんどの企業様は、なるべくスキルの高い外国人労働者を採用したいとお考えです。
しかし、よっぽど急ぎで即戦力になる人材を必要とする場合を除き、理想の外国人労働者の採用のためには、外国人労働者の「熱意」を重要視することをおすすめします。
その理由は3つあります。
・成長が早いから
・既存の社員に良い影響を与えるから
・社内風土や価値観に合った人材に育つから
一つ一つ説明していきます。
理由1:成長が早いから
どんなに日本語能力が高く、豊富なスキルを持っていたとしても、熱意が低ければ、入社後に良いパフォーマンスは発揮できません。
しかし、熱意のある外国人労働者であれば、足りない部分について自ら積極的に学び、成長しようとします。教えられたことをすぐに吸収し、多少の失敗にも負けないでしょう。
そのため、仮に日本語能力や、他のスキルが企業様の理想を少し下回っていても、入社後に十分な成長が見込めるので、結果的に、理想の社員になる可能性が高いのです。
理由2:既存の社員に良い影響を与えるから
熱意がある外国人労働者は、熱心に仕事に取り組み、積極的にコミュニケーションを取るので、周囲の社員も自然と仕事に前向きに寄り組むようになります。その結果、チーム全体の生産性や成果が向上するのです。
また、自らのアイデアや新しい方法を積極的に提案してくれるので、チームや組織全体のイノベーションを促進することもできます。
このように、熱意のある外国人労働者は、社内をポジティブな空気にしてくれる、理想の人材になれるのです。
理由3:社内風土や価値観に合った人材に育つから
能力が高い外国人労働者は、自分のやり方を変えられないなど、プライドが邪魔をして、企業に馴染めない可能性もあります。
一方、能力が多少低くても、熱意がある外国人労働者であれば、新しい環境や変化に対して早く適応しようと、柔軟に対応します。
その結果、企業の価値観や風土に合った人材に育つので、トラブルなどの心配もなく、長く企業に定着してくれる理想の社員になるのです。
社内でできる、外国人労働者の日本語能力UP法
理想像に近い外国人労働者の採用をした後は、理想に近づけるために社内でのフォローアップが必須です。
ここでは、「熱意はあるけれど、日本語能力が少し低い外国人」を採用した場合の、社内でできる日本語力UPの工夫を3つご紹介します。
・YouTubeを利用する
・社内での日本語コミュニケーションの場を増やす
・日本語能力の向上に応じて、優遇条件をつける
いずれも、実際の中小企業がおこなっている方法です。
すぐに取り入れられるものもありますので、ぜひ参考にしてみてください。
YouTubeを利用する
You Tubeには、外国人労働者向けの日本語教育動画が多数あります。
佐賀県のとある中小企業では、佐賀県国際課が公開しているYou Tubeを利用し、「やさしい日本語」を勉強しているそうです。
「やさしい日本語」とは、普段使われている言葉を外国人にも分かるように配慮した「簡単な日本語」のことです。(詳細は『外国人労働者と「やさしい日本語で」円滑なコミュニケーションをとる方法』をご覧ください)
You Tubeであれば無料なので、教育にかける予算が少ない企業様でも気軽に取り入れることができますね。
社内での日本語コミュニケーションの場を増やす
日本語能力の向上には、日本語を使う機会をなるべく多く設けることが重要です。
例えば、以下のような取り組みをしている中小企業があります。
・日本語での交換日記
・日本人メンターとの定期的な会話
他にも
・週1回、日本人社員も交えた60分の日本語勉強会を実施する
・近隣大学の日本語教員養成課程の学生に、定期的に授業をしてもらう
といったように、社内での勉強会を定例化している中小企業もあるようです。
有料の外部研修や、日本語教室ほど体系的な日本語教育ではないかもしれませんが、熱意のある外国人労働者であれば、積極的に取り組むので、成果が出やすいでしょう、
実際に、社内の日本語教育だけで、日本語検定N2・N3(ある程度の日常会話に困らないレベル)の合格者を出した中小企業の例もあります。
なお、社内での日本語教育については、下記コラムにもまとめておりますので、ぜひご覧ください。
日本語能力の向上に応じて、優遇条件をつける
「稼ぎたい」という想いから、日本での就業を選択する外国人労働者は多数います。
そのため、日本語能力の向上に応じて給与などをUPさせるのは、非常に効果的な方法です。
もし、毎月の給与UPが難しい場合は、一時金やボーナスでの支給も良いでしょう。他にも、寮費を下げるといった方法を取り入れている中小企業もあります。
この方法であれば、熱意のある外国人労働者は、さらにモチベーションを上げて日本語の習得に励んでくれるはずです。ぜひ、企業様の予算に合わせてご検討ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回のコラムでは、「企業にとって理想の外国人労働者を採用する秘訣」として、以下の2つをご紹介しました。
・日本語能力が少し低い外国人とも積極的に面接をおこなう
・外国人労働者の「熱意」を重要視して採用する
面接時の外国人労働者の能力に対して柔軟な気持ちを持ち、社内で育成するつもりで「熱意」のある外国人を採用すれば、最終的には、企業様にとって理想の人材に育つ可能性大です。
もし、社内育成にご不安がある場合は、ぜひ、弊社の研修のご利用もご検討ください。
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詳細については、ぜひ下記コラムもご覧ください。
『「外国人人材紹介会社」が提供する5つのサービスと3つの利用メリット』
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