現在、日本人労働者の人手不足は多くの雇用主にとって悩みの種であり、売上を左右する大きな課題です。特に旅館・ホテル業界の人手不足割合は正規・非正規人材ともに7割を超えたという日本政府観光局（JNTO）のレポートも出ています。
そこで、今回のコラムでは「宿泊業」にスポットを当て、これから外国人雇用を考えている宿泊業経営者の方へ、人手不足を解消しながら、外国人材の良さを活かして売上UPする3つのポイントをお伝えいたします。
1.【他社との差別化】外国文化を取り入れた独自サービス
2.【新たな人脈からの顧客獲得】外国人労働者のネットワークを活用
3.【海外への発信で集客】中国版ツイッターでバズる青森県の実例
外国人労働者に活躍の場を提供し、活き活きと働いていただきながら売上UPが叶うヒントが満載です。ぜひ最後までお読みください。
【他社との差別化】外国文化を取り入れた独自サービス
近年、企業は競争の激化に直面し、多くの競合他社との差別化が重要になっています。そうした中、外国人ならではの文化を取り入れることは、価格やサービスの価値を下げずに差別化をする有効な手段です。
例えば、料理に外国の食文化を取り入れることで、新たな価値を提供できます。
中国からの訪日客が多い日には、朝食バイキングで中国の方の好きなメニューをお出しするのはいかがでしょう。
「当ホテルスタッフ〇〇直伝、本場中国（〇〇省）の味！」
中国人労働者に監修してもらいPOPやポスターでPRすれば、中国のお客様だけでなく日本人や他の国のお客様にも、大変喜ばれるサービスとなります。
【新たな人脈からの顧客獲得】外国人労働者のネットワークを活用
企業にとって、外国人労働者が持つ人脈は、新たな顧客層を集客するための貴重なリソースです。具体的には、以下のような集客方法が実現できます。
・労働者のネットワークを通じた集客
・労働者の文化的背景を活かした集客
・労働者のコミュニケーション能力を活かしたリピート率向上
一つずつ説明していきます。
労働者のネットワークを通じた集客
外国人労働者のネットワークは積極的に活用するのがおすすめです。
例えば、彼らの家族や友人が日本へ訪れる時には、労働者が勤務している施設を利用する可能性が高まります。その際、従業員限定の特別な割引を提供すると、外国人労働者が自発的に勤務先を宿泊先として紹介しやすくなります。
その際はアンケートでフィードバックをもらうのも効果的です。「より良いサービス提供のために、意見を聞かせてほしい」と言えば、奇譚のない声が聞けるでしょう。
労働者の文化的背景を活かした集客
外国人従業員が持つ言語や文化的背景を活かした、サービスやプロモーションの展開も効果的です。
例えば、外国の祝祭日やイベントに合わせたキャンペーンを実施することで顧客層を拡大し、競合他社との差別化を図ることができます。
顧客の満足度を高めることで、長期的な競争力の強化につながります。
労働者のコミュニケーション能力を活かしたリピート率向上
国土交通省が2018年に発表したデータによると、訪日外国人旅行者の61.4%が、訪日回数2回目以上のリピーターです。その後、コロナ禍で数字が落ち込んだものの、現在ではかなりの回復を見せていることは、多くの方が実感されているかと存知ます。
そこで外国人従業員のコミュニケーション能力を活かさない手はありません！
彼らが訪日客と良いコミュニケーションを取ることで、顧客のニーズや要望に合った細やかなサービスを提供でき、リピートを強化することができますよ。
【海外への発信で集客】中国版ツイッターでバズる青森県の実例
ここ数年、新たな市場を開拓するために、企業や地方自治体もSNSを使った海外への発信に積極的です。
面白い実例をご紹介しましょう。
青森県は中国版ツイッター「Weibo（ウェイボー）」を活用し、フォロワー数130万8000人を達成、観光客の集客に成功しています。このフォロワー数は、青森県の人口118万人を大きく超える驚異的な数字です。
きっかけは、ある中国人留学生が青森県の魅力をSNSやYoutubeで発信し、中国からの観光客が増加したことでした。SNSの伝播力に注目した青森県は、2011年、Weiboに公式アカウントを開設。その後、さまざまなコンテンツを発信して、フォロワーを惹きつけました。
さらに、コロナ禍中も地道な発信を続けたことで、現在では中国や東南アジアからの観光客増に多大な貢献をしています。
この例からも分かる通り、地道なSNSの発信は、大きなチャンスを生み出します。
特に、海外への発信なら、外国人労働者に任せることが効果的です。それには3つの理由があります。
1. 言語や文化への深い理解
2. 地域とターゲットに密着した情報提供
3. ユニークな視点やコンテンツ提供
一つずつ理由を説明していきます。
言語や文化への深い理解
外国人労働者は自国の言語と文化を理解していますから、ターゲットの国や地域に適した発信に優れています。翻訳ソフトを駆使して日本人が慣れない外国語で発信するのとは、微妙なニュアンスや伝え方が変わりますよね。
ターゲットの国や地域に適したコンテンツやメッセージは、受け手に親近感を与え、興味関心を惹きつける魅力的な要素になります。
地域とターゲットに密着した情報提供
SNSの発信において、外国人労働者が自国の情報やトレンドに詳しいことは、極めて有益です。自国独自の文化やニュース、ローカルな情報に敏感な彼らの発信するメッセージは、ターゲット層の興味関心を惹きつけるでしょう。
ユニークな視点やコンテンツ提供
外国人労働者が持つ、自身の文化や経験に基づいたユニークな視点は、斬新で魅力的な情報発信の鍵です。日本人では持ちえない視点から発信されるコンテンツは、フォロワーの関心を惹きつけ、宿泊施設の認知度や好感度を向上させます。
また、彼らが自身の言葉や視点で情報の発信をすることで、新たな国や地域へのアプローチも可能なのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか？
今回のコラムでは、人手不足を解消しながら、外国人材の良さを活かす雇用3つのポイントをご紹介しました。
・他社との差別化
・新たな人脈からの顧客獲得
・海外への発信で集客
これらを組み合わせて実践することで、外国人労働者の能力を活かし、広告宣伝費をかけずに新たな集客が叶うチャンスがあります。
冒頭でもお伝えした通り、外国人材の獲得が今まで以上に本格化します。ぜひ、前向きにご検討いただき、早い段階で優秀な人材を確保しましょう。
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