アルバイトが可能な外国人の在留資格(ビザ)

アルバイトが可能な外国人の在留資格(ビザ)

外国人を採用してみたいけど、難しそうと感じる方もいらっしゃいます。

けれども、日本人を採用する場合と若干異なる点があるものの、一度理解してしまえばそれほど難しい事はありません。

外国人雇用が初めての企業様向けに、外国人をアルバイトとして雇用する場合の在留資格に関する注意点をまとめましたので、ぜひご覧ください。

1.アルバイト可能な在留資格(ビザ)

全ての外国人がアルバイト可能というわけではありません。特定の在留資格(ビザ)を所有している外国人のみが、アルバイトとして働く事ができます。全ての在留資格のアルバイト可否を覚える必要はありません。主要な在留資格のみ、覚えておきましょう。

永住者、日本人の配偶者、永住者の配偶者、定住者

これらの在留資格は、就労するにあたり、特に制限はありません。どのようなアルバイトでも可能です。

留学生、家族滞在

これらの在留資格を所有している外国人は、「資格外活動許可」を個別に取得していればアルバイトが可能になります。大半の外国人はその許可を取得しています。(許可を所有しているかどうかの確認方法についてはページ下部で説明しています。)

ただし、「資格外活動許可」を持っていても、水商売やパチンコ店などの風俗営業で働くことはできません。

また、アルバイト可能な時間は、以下の通りです。

留学生の場合:
週28時間以内(夏休みなどの長期休暇中は、週40時間まで)

家族滞在の場合:
週28時間以内(週40時間まで拡大はなし)

技術・人文知識・国際業務、技能 等の就労可能ビザ

「技術・人文知識・国際業務」は、エンジニアや通訳、翻訳、マーケティング等、専門的な技術や知識を持った外国人が取得する在留資格。「技能」は、料理人や職人の外国人が取得する在留資格です。
基本的にはフルタイム(正社員・契約社員)で勤務している外国人がこれらの在留資格を持っています。

副業としてのアルバイトは可能ですが、「技術・人文知識・国際業務」や「技能」の外国人が、短時間のアルバイトを探すことはあまり多くありません。また、アルバイトをする場合には、「技術・人文知識・国際業務」「技能」の在留資格を申請時に認定を受けた業務でしか、就労する事はできません。

副業アルバイトができない例

× 通訳として「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を申請した外国人が、飲食店でアルバイト。
× エンジニアとして「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を申請した外国人が、コンビニでアルバイト。
× 料理人として「技能」の在留資格を申請した外国人が、通訳のアルバイト。

副業アルバイトができる例

○ 通訳として「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を申請した外国人が、別の会社で通訳のアルバイト。
○ エンジニアとして「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を申請した外国人が、別の会社でエンジニアとしてアルバイト。

例外として、「留学生」「家族滞在」の外国人が取得する「資格外活動許可」を個別に取得していれば、飲食店やコンビニでのアルバイトも可能となりますが、転職活動中等を除き、その必要性が認められる例はあまり多くありません。

特定活動

複数ある在留資格の中でも、最も特殊なのが「特定活動」です。外国人が持っている在留カードには「特定活動」とのみ書かれていますが、メイドさんも、インターンシップのために来日した方も、アマチュアスポーツ選手も、医療を受ける外国人の方の付添人も、みなさん「特定活動」です。

アルバイトが可能かどうかは、「特定活動であるかどうか」ではなく、「どのような内容の特定活動か」がポイントです。どのような内容かは、パスポートに添付されている「指定書」をチェックすることで確認できます。

ワーキングホリデーのために来日した外国人や、就職活動中で「資格外活動許可」がある外国人は、アルバイトが可能です。

少しややこしいかもしれないので、外国人採用が初めての場合で、「特定活動」の外国人から応募があった場合には、信頼できる専門家に確認した方が良いです。

「短期滞在」はアルバイト採用できる?

外国人のアルバイト募集を行うと、時々ですが 「短期滞在」の在留資格の方が応募してきてくれます。けれども、「短期滞在」の方は原則としてアルバイトができませんので、ご注意ください。(資格外活動許可を得ることもできません。)

短期滞在は、「観光ビザ」とも呼ばれる在留資格で、旅行・観光時に発行される在留資格です。比較的簡単に発行されるため、日本で働くという目的を隠し、旅行者のフリをして入国する外国人が一定数いることも事実です。

「技能実習」「特定技能」はアルバイト採用できる?

時々いただく質問ですが、技能実習生や新しくできた在留資格「特定技能」は、アルバイトができません。

「技能実習生」は、在留資格交付時に定められた技能実習に専念する必要があることから、資格外活動はほぼ許可されません。

特定技能外国人は「フルタイム」で雇用される必要があります。(「フルタイム」は原則、労働日数が週5日以上かつ年間217日以上、週労働時間が30時間以上)

「難民」はアルバイト採用できる?

「難民」という在留資格はなく、申請中の方は「特定活動」、難民であると認定された方は「定住者」となります。

定住者は就労制限がなく、どのような仕事でも可能です。難民申請中で「特定活動」の外国人は、風俗関連以外の仕事が可能です。時間の制限もありません。

難民申請の審査期間は、おおよそ2年間ですが、最初の6ヶ月は就労不可です。以降の審査期間中が「特定活動」となります。

アルバイト採用時にチェックする項目

外国人をアルバイトとして雇用する場合には、以下の点を必ずチェックしましょう。

在留資格とパスポートを必ず確認

「週28時間以内」はWワークを含む合計時間

店舗Aでのアルバイト時間が週15時間、店舗Bでのアルバイトが週14時間の場合、合計時間は29時間となり、規定の範囲を超えています。留学生や家族滞在の外国人を雇用する場合は、必ずWワークの状況を確認し、別の会社(店舗)でアルバイトをしている場合には、稼働時間を報告してもらうようにする必要があります。

「留学生」の場合、在学しているかどうか。

退学している場合、在留資格は無効となっています。

また、入社時点で在学していれば良いわけではありません。アルバイトとしての勤務開始後、退学した場合にも在留資格が無効となりますので、ご注意ください。

ハローワークに届出

外国人を雇用した際や外国人が退職した場合は、ハローワークへ届出をする必要があります。(入国管理局への届出は不要。)届出をしなかった場合には、罰則適用の対象となりますので注意しましょう。

不法就労助長罪に注意

アルバイトとして働いてはいけない外国人を雇用した場合、事業主が処罰の対象となる場合もあります。下記は、発生しやすい不法就労助長罪の例です。

・密入国した人や在留期限の切れた人を雇用する
・旅行や観光が目的で来日した「短期滞在」の外国人を雇用する
・語学学校の先生や外国料理の料理人として働くことを認められた人(「技術・人文知識・国際業務」「技能」等の在留資格を持つ外国人)が工場や事業所で単純労働者として雇用する
・留学生や家族滞在の外国人が、規定の時間数を超えて働いている

求職者が精密に作られた偽造の在留カードを用いた等、事業主に落ち度がない場合は不法就労助長罪は適用されません。しかし、悪意がなかったとしても、在留カードを確認していない、Wワークの有無を確認していない等、雇用する側として最低限の確認を怠っていた場合には不法就労助長罪が適用されてしまう場合があります。

万が一に備え、確認項目については書面で残しておきましょう。

正しく理解すれば、それほど難しくありません

雇用できる在留資格と雇用できない在留資格がある、または、本来雇ってはいけない外国人を雇ってしまうと罰則がある、そういった点から、外国人のアルバイト雇用を難しく思われてしまうかもしれません。

けれども、このページの内容を読み、外国人を雇用する際に改めて「この方に働いてもらって大丈夫なのか」を都度確認すれば、大きな失敗は起こりません。もしも判断に迷った場合は、ハローワークや入国管理局に問い合わせれば、適切な返答がもらえます。

また、A global harmony では、外国人を雇用する際のチェックリストも用意していますので、ぜひご活用ください。

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