人材不足が進み現場のシフトがギリギリ。早く補充をしないと意欲のあるスタッフまで辞めてしまいかねません。そういった背景もあり、前回「介護の人手不足を外国人雇用で解消!定着採用3つの手順」でもご紹介したように、多くの介護事業者様が「即戦力の外国人労働者」の採用を検討されています。
しかし、実際に雇用するとなると、心配事はやはり「言葉と文化の壁」や「育成方法」ではないでしょうか。
そこで本コラムでは、外国人労働者の採用後をイメージできるよう、具体的な育成方法を、次の2つの視点からご紹介します。
・介護サービスが向上する多様性あるチーム作り
・利用者への良い刺激となり楽しんでいただける関わり方
既存スタッフと早期になじみ、介護サービス利用者にも喜ばれる方法ですので、ぜひ参考にしていただき、貴事業所でも外国人労働者の採用をご検討ください。
介護サービスが向上する多様性あるチーム作り
日本で働くことに強い意欲を持った外国人労働者と一緒に働くことは、日本人スタッフにとっても良い刺激となり、介護サービスの質の向上に繋がります。
事実、日本人スタッフから「吸収力が高いから教えがいがある」「利用者への声掛けが丁寧で優しく、見習うべき点が多い」「一緒に働いていて楽しい」という声も聞かれます。
もちろん言語や文化の教育が必要なので、日本人スタッフよりも育成に時間がかかります。しかし、長い目でしっかり教育をしていけば、貴事業所に無くてはならない人材へ育つポテンシャルは充分にありますよ。
介護サービスが向上する多様性あるチームを作るには次の3つを実践するのがおすすめです。
・スタッフ間コミュニケーションの促進
・介護技術研修
・文化理解研修
ひとつひとつ見ていきましょう。
スタッフ間コミュニケーションの促進
イレギュラーな事案や個別の対応方法について、外国人スタッフの疑問に対し、フィードバックする場を積極的に設けます。英語ができるスタッフがいる場合は、外国人スタッフが話しやすいように英語でヒアリングするのが良いでしょう。
定期的な1on1ミーティングも有効です。相談しやすい環境を作ってもらえている、という心理的安心感を与えることで、何かトラブルがあった時でも、前向きな解決をすることができます。
また、AI通訳機ポケトークを活用するのもおすすめです。会話レベルの長文でも、伝えるのが難しい表現でも、高精度で翻訳してくれます。意図通りに伝えることができるから、お互いの理解が深くなる、と現場で活用している事業所もありますよ。
大切なのは、形式にこだわらず、スタッフ自身が同僚として主体的にコミュニケーションを取れる環境を作ることです。組織の規模や文化に合わせて、さまざまな方法を組み合わせ、効果的なスタッフ間コミュニケーションを促進しましょう。
その結果、現場のチームワークが良くなり、介護サービスの質が向上します。
介護技術研修
先輩スタッフの実技指導を通じて、実践的なスキルの向上を目指します。短期間に色々な事を学ぶ外国人スタッフの負担を鑑み、最初は簡単なことからはじめます。徐々に介護度の高い利用者への対応方法や、認知症ケアに関する研修も行うと良いでしょう。
一見、「難しそう・・・」と二の足を踏まれるかもしれません。でも、若くて有能な外国人スタッフは物覚えが早く、習得した技術を即実践で活かす向上心を持っています。教える側も意欲を持って指導できるため、互いに学び合い、成長できる環境が生まれます。
つまり、外国人スタッフの育成は、事業所全体の成長にも繋がります。スタッフ一人一人の介護技術が向上することは、利用者様にとっても嬉しいことです。
文化理解研修
私たち日本人が当たり前に知っていることも、外国人スタッフは知らないということを理解し、日本の文化や習慣・価値観に対する研修を行います。例えば、次のような基本的なこともきちんと教えてあげましょう。
・マナー:食事のマナー、挨拶のマナー、服装のマナー等
・四季や年中行事:お正月、節分、お花見、七夕、お盆、クリスマス等
・宗教:仏教、神道、キリスト教等
節分には豆をまく、新学期が4月から始まる、仏教徒でもクリスマスを楽しむなど、外国から見ると不思議な文化もありますので説明が必要です。文化への理解が深まると、利用者様との会話の幅がグンと広がります。
利用者への良い刺激となり楽しんでいただける関わり方
介護サービス利用者様と外国人労働者の交流は、お互いの文化を知る過程自体が良いコミュニケーションとなり、双方にとって新たな発見と刺激をもたらします。
介護施設では季節に応じた催しや、定期的なイベントをすることが多いと思います。その時に、次のようなことを実施すると、利用者様の新鮮な刺激となり喜んで頂けるでしょう。
外国人スタッフとのレクリエーション
例えば、外国人スタッフの故郷の音楽を演奏したり、簡単なダンスを一緒にする、言葉遊びやジェスチャーゲームなどを通して異文化に触れることはとても刺激的な体験です。利用者様に新しい経験や発見、無理なく異文化へ触れる機会を提供することができます。
また、折り紙もおすすめです。指を使い脳の活性化を促す折り紙は、作業療法に取り入れる施設が多数あるほど、質の高いレクリエーションです。利用者様に先生となっていただき、外国人スタッフが折り紙を教わる会を開くのも良いですね!
文化紹介イベント
外国人スタッフが自身の出身国の文化や習慣を、日本語で紹介するイベントを開催します。
食文化や伝統行事など、利用者様の興味を引く内容を考えたり、日本語で発表する機会を提供することで外国人スタッフのコミュニケーション能力向上の機会にもなります。
「一生懸命親切にやってくださるから嬉しい」
外国人スタッフの頑張っている姿を見る利用者様からはこのような声が上がり、イベントを通じて彼らに対する信頼感・親近感が増すでしょう!
まとめ
介護業界では人材不足の解消だけでなく、介護サービスの質の向上においても、外国人労働者のホスピタリティーが大きな可能性を秘めています。
本コラムでご紹介したアイディアを参考に、それぞれの施設に合った外国人スタッフの採用と育成方法をご検討いただき、貴事業所の運営にお役立てください。
弊社では、日本語のレベルが高い人材が多数在籍しており、貴事業所が求める即戦力となる人材をスピーディーにご紹介可能です。安心して採用していただけるよう、全力でサポートさせていただきますので、ぜひお気軽にご相談ください。