外国人を物流センターや倉庫の仕分け作業員として雇う際のポイント

物流業界は、EC市場の拡大により年々成長しています。その一方で、慢性的な人手不足に直面しています。特に物流センターや倉庫での仕分け作業や梱包、ピッキングといった業務は、繁忙期になると労働力がさらに不足し、企業は効率的な人員確保に悩まされる状況です。

 

こうした背景の中で、労働力不足を補うために、外国人労働者の採用を積極的に進めている企業も増えています。

 

物流業は特定技能の対象職種に含まれており、特定の技能を持った外国人を雇用することができるからです。

例えば、フォークリフトの運転や、仕分け作業など、高度な技術を要する業務に、特定技能ビザを持つ外国人を配置するケースが増えています。

 

この記事では、物流センターでの外国人仕分け作業員の採用時に、注意すべきポイントを詳しく解説します。

 

物流センターで外国人労働者を雇うメリット

最初に、物流センターで外国人労働者を雇うメリットを挙げておきます。

 

労働力の確保

 

物流センターには、多くの体力を必要とする業務があり、応募者が集まっても体力的に厳しく、続かないという相談もございます。つまり、若年層の日本人労働者だけでは十分な人材を確保するのが難しい状況なのです。

 

そこで、外国人労働者を採用することが、安定した労働力を確保しやすくなり、繁忙期や急な業務増加にも柔軟に対応できる鍵となります。

 

多様性による職場の活性化

 

外国人労働者の雇用によって職場に多様性が生まれ、異なる文化や考え方が新しい視点をもたらします。

 

多様なバックグラウンドを持つスタッフが増えることで、コミュニケーションが活性化し、チーム全体の雰囲気がより明るくなる傾向もあります。協働によって、職場の活気と新たなアイデア創出も期待できるでしょう。

 

物流センターで採用するのに適した外国人材の特徴

外国人の採用が未経験の場合、どのような人材を採用すればいいのかわからず、実際の採用活動を始める手前で、躊躇されている方も多いです。

 

外国人採用をサポートするプロとして、私達がアドバイスしているのは、採用したい人物像や条件を明確にすることです。貴社の業務内容、一緒に仕事をするメンバーを考慮して、どのような人物が適しているかをイメージしてみてください。

 

基本的な日本語能力

 

仕分け作業では、指示に従って商品を正確に扱うことが求められます。日本語が理解できれば、指示の内容をスムーズに把握でき、業務の効率も向上します。

 

多くの企業では、外国人スタッフに対し、日本語能力試験(JLPT)のN4程度の日本語スキルを求めることが多いです。このレベルは、簡単な日本語の読み書きができ、指示を理解する基本的な会話力も備えています。

 

体力・健康

 

仕分け業務は、商品のピッキングや梱包、重い荷物の運搬など、体力が求められます。体力に自信があり、長時間立ち作業が可能な方が向いているので、健康面に不安がない人材が望ましいでしょう。

 

チームワークや柔軟性

 

物流センターでは、作業の効率を高めるためにチームで協力する場面が多くあります。外国人労働者がスムーズに業務に取り組めるよう、日本人にも外国人にも、協力的な姿勢や柔軟性が求められます。職場でのルールや役割分担に適応できる方は、チームの一員として貢献しやすくなります。

 

採用時の注意点とサポート体制

採用について、日本人の場合と異なる点をお伝えします。

 

労働ビザの確認と手続き

 

外国人労働者を雇用するには、適切なビザを取得していることが必要です。

例えば、物流センターの仕分け業務には「特定技能ビザ」や「技能実習ビザ」が利用されることが多く、それぞれのビザによって従事可能な業務や在留期間が異なります。雇用前にビザの種類や条件を確認し、法的手続きに問題がないように対応しましょう。

労働条件の明示

 

外国人スタッフが安心して働けるよう、日本の労働基準法に基づく労働条件を明示します。特に、労働時間、休暇制度、福利厚生については、日本人と同様に分かりやすく説明します。

 

契約内容を理解しやすいように、母国語の通訳や説明資料を用意することも効果的です。

 

コミュニケーションの工夫

 

外国人スタッフが業務を理解しやすいよう、コミュニケーション方法に工夫を

加えることが推奨されます。作業指示書を簡潔にしたり、イラストやピクトグラムを活用して、視覚的に理解しやすいマニュアルを作成することが効果的です。

 

シンプルでわかりやすい言葉での説明や、丁寧な指示を心がけることで、

外国人スタッフも安心して作業に取り組むことができます。

 

【参考記事】

外国人労働者と「やさしい日本語で」円滑なコミュニケーションをとる方法

 

研修制度とサポート体制

 

外国人労働者にとって、作業内容だけでなく、日本の職場ルールや安全管理基準を理解するための研修は必須です。物流センターの業務にはリスクが伴う作業もあるため、安全管理に関するトレーニングも欠かせません。

 

さらに、生活面でのサポート(住居や健康管理、行政手続きの支援)も整備することで、安心して長期的に働いてもらえる環境が整います。

 

外国人仕分け作業員の成功事例

 

外国人スタッフの採用によって、人材不足の解消と作業効率が向上した物流センターの事例は多くあります。

 

例えば、ある物流センターでは、外国人スタッフを積極的に採用し、社内研修を充実させた結果、スタッフ同士の連携が強化され、職場の雰囲気が良くなりました。また、外国人スタッフの定着率が向上し、安定した労働力確保につながったケースもあります。

 

適切なサポート体制が整っていると、外国人スタッフが職場に馴染み、長期的に活躍することができます。外国人スタッフの積極的な採用とサポート体制の整備が、物流業務の安定化と効率化に貢献する良い例と言えるでしょう。

 

北海道の株式会社ジャスト・カーゴ社の事例

 

物流2024年問題に直面し、人手不足から外国人技能実習生を募集することにした

そうです。3名の募集に対し、15名のベトナム人の応募があり選考されました。

 

外国人従業員には、伝票や指示書を読む必要がある荷積みを任せ、高度な日本語力を必要としない梱包などを担当してもらい、助かっているそうです。

(北海道新聞の記事より)

 

まとめ:外国人労働者の採用で物流センターの効率化を

 

外国人スタッフの採用により、物流センターや倉庫業務は労働力不足の解消に

加え、業務の効率化やチームの多様性も期待できます。

 

外国人労働者が長期的に活躍するためには、適切なサポート体制や環境の整備が欠かせません。企業側が積極的にサポートを行うことで、外国人スタッフも安心して業務に取り組み、物流センターの成長に貢献できるでしょう。

 

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