人材採用を行うとき、地方企業だからといって外国人採用をあきらめていませんか?
地方企業には、都市部企業とは異なる強みがあり、うまく活かすことで外国人材の採用を促進できます。なぜなら、地方企業が当たり前と思い、気にも留めていないことが、外国人材には魅力的に映ることがあるからです。
本コラムでは、地方企業の強みを解説し、その強みを活かして採用に成功した実例もご紹介します。
ぜひ貴社の強みを活かした採用活動の参考にしてください。
地方企業の強みとは?
冒頭でもお伝えしたように、地方企業ならではの強みを認識し、PRすることは重要です。
ここでは、地方企業の強みとして次の3つをご紹介します。
①経営の安定性とキャリア形成
②働きやすい環境
③住みやすい環境
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①経営の安定性やキャリア形成
地方企業は地域に根差した安定経営を行っていることが多いので、長期的なキャリア形成を希望する外国人材に安心感を与えます。
さらに、地方企業では従業員一人ひとりの成長を重視し、スキルアップに力を入れていることが多いです。
具体的には、研修プログラムやメンター制度を通じ、個々の従業員のキャリア形成を丁寧に支援する傾向があります。
これにより、外国人材は自己成長の機会を得られ、長期的なキャリアビジョンを描きやすくなります。
②働きやすい環境
地方企業は一般的に、都市部企業と比べて働きやすい環境を提供している場合が多く見られます。
例えば、残業や休日出勤が少なく、職員の異動や出入りが少ないことが挙げられます。また、職場環境が安定し、人間関係が良好という点も魅力です。
さらに、地方企業は規模が小さい場合が多く、個々の社員が尊重される風土があります。社員同士の距離が近くアットホームな雰囲気で働けることが多いです。
経営者や上司との距離も近く、コミュニケーションが取りやすい労働環境は、外国人材にとって非常に魅力的といえるでしょう。
③住みやすい環境
都市部に比べて生活費が安く済むことは、地方企業の大きな強みです。
家賃や食費などの生活コストを抑えられ、外国人材にとって経済的な負担が軽減し、安心して生活を送ることができます。給与を提示するときに、生活水準や周辺環境の話も説明すれば、魅力的に感じてもらえるでしょう。
例えば、地方ならではの豊かな自然、子育てしやすい環境、通勤時間の短さ、休日の過ごしやすさなど、都市部にはない要素もあります。仕事とプライベートのバランスを重視する外国人にとって、地方の生活環境はとても魅力的なのです。
地方企業の外国人材獲得実例
次に、外国人材を獲得することに成功している地方企業の実例を次の3つの観点から見てみましょう。
①経営の安定性やキャリア形成に魅力を感じた実例
②働きやすい環境に魅力を感じた実例
③住みやすい環境に魅力を感じた実例
弊社独自の取材と、経済産業局公表の資料よりご紹介いたします。
(情報元:経済産業省 九州経済産業局 令和4年度九州経済産業局における 地域中小企業・小規模事業者の人材確保支援等事業 より一部参照)
①経営の安定性やキャリア形成に魅力を感じた事例
・販売業(大分県大分市)
ECサイトのAlibaba(アリババ)に出店し、海外向け販売を開始。しばらくすると業務量が増えたため、英語が堪能な人材を採用することにした。
中小企業なので、自ら事業を立ち上げ、様々な業務を経験しながら、会社とともに成長できる点に大きな魅力を感じたタイ出身の人材を獲得。
海外向け売上が2倍に増加し、現在は海外向け販売の責任者として活躍している。
・食品製造業(宮崎県都城市)
海外での和食人気の高まりに伴い、海外からの問合せが増え始め、初めての外国人採用に至った。
150年の歴史ある企業であること、国際的な経験やスキルが役に立つことに魅力を感じたドイツ出身の人材を採用。
外国人材を採用したことで社内の雰囲気が明るく活発になったことも、大きなメリットだと感じている。
②働きやすい環境に魅力を感じた事例
・小売業(長崎県佐世保市)
仕入れ先の中国と中国語でやり取りができ、将来に向けて英語圏とも商談が可能な語学堪能な方を新卒採用したいと考え求人。
賑やかな所より、静かで景色のいい所が好きで、落ち着いて海がきれいな佐世保の環境も気に入ったという人材の獲得に成功した。
外国人材が1人入ったことで社内の雰囲気が一気にグローバル化し、企業として次のステップに進む楽しみが増えたと感じる。
・ホテル業(熊本県人吉市)
インバウンド需要の獲得に向けて「母国語が通じる安心感」で、外国からのお客様をおもてなししようと、外国人材の採用をスタート。
自然環境が豊かで、自身の故郷と雰囲気が似ている点も魅力的に感じたというロシア出身の人材を採用することができた。
英語力や国際感覚を活かし、広報マーケティング担当として活躍している。
③住みやすい環境に魅力を感じた事例
・農業(青森県板柳町)
求人を出しても地元人材の応募がなく、今後畑を増やして生産量を確保するにも人手不足の問題があった。「この秋にりんごを収穫するための人手が足りない」という従業員からの切実な声で、外国人採用を決意した。
採用するに当たり、広い敷地付きの5LDKの中古物件(一軒家)を購入し、リフォーム。外国人材が家賃の負担なく、のびのびと生活できることをアピールし、スリランカから3名の若手人材の獲得に成功。
人材不足の課題を解決し、新たな挑戦に向けて舵を切れるようになった。
・ホテル業(鹿児島県屋久島町)
島内で働き手が不足する中、島外から優秀な若手人材を獲得する方法の一つとして、外国人材の採用へと踏み切った。
もともと自然が好きで、屋久島の自然環境が気に入ったという韓国出身人材の獲得に成功。採用においては、寮が外国人材にとっても選ぶメリットの一つになったと考えている。寮費は水道費込みで13,000円で提供している。
島で生活する上では、新卒の外国人留学生は車の免許を持っていない方が多いので、休みの日に日本人の従業員が車をだして一緒に出掛けるなど工夫している。
まとめ
地方企業が外国人材を惹きつけるポイントは、彼らが魅力的に感じる自社と地域の強みをしっかり認識してPRすることです。
経営の安定性やキャリア形成への支援、働きやすい職場環境、住みやすい生活環境の視点で、今一度、検討してみてください。
地方の強みを活かした採用で優秀な外国人材を獲得し、その能力を最大限に引き出すことが、地方企業の成長にもつながります。
このような、地方企業ならではの魅力を好む人材とのマッチングも、弊社の得意とするところです。是非ご相談ください。
地方での外国人採用のポイントについては、下記コラムもご参考にしてください。
・都市と地方を比較:採用しやすい外国人材と採用のポイントhttps://aglobalharmony.info/toshitotihousaiyoupoint/
・地方で外国人材を獲得するための準備4つのポイント
https://aglobalharmony.info/chihoujinzaikakutokupoint4/