2020年、まだまだ不況が続いていますが、人材の確保は出来ておりますでしょうか。
社会の先行きも不透明で売上も不安定な中、人件費が高い優秀な人材を社員として採用することは難しいと思われます。
一方で、不況下でも会社として成長する為には優秀な人材が必要不可欠であることも事実です。
そこで、人件費を抑えつつも優秀な人材を確保しようとすると、
現在日本国内に在留している外国人アルバイトの採用が1つの選択肢になります。
「でも、外国人アルバイトの活用って難しそう…。」
「外国人アルバイトを採用する時の受け入れ体制はどうすれば…?」
「他の社員と外国人アルバイトでキッチリとコミュニケーションが出来るのか…?」
このように悩むことも多いですが、まずは外国人アルバイトの採用について良く知ることが重要です。
今回のコラムではそんな外国人アルバイトの採用における日本の会社が苦労していることと、気を付けておくべき注意点3つをご紹介していきます。
目次
・外国人労働者について日本の会社が苦労していることとは?
・外国人アルバイト採用時の注意点
・注意点①:日本語のコミュニケーションレベル
・注意点②:文化や慣習の違いの相互理解と教育
・注意点③:外国人アルバイトの受け入れ体制の整備
・外国人とのコミュニケーション体制
・外国人の育成体制
・まとめ
外国人労働者について日本の会社が苦労していることとは?
まず、注意点をご紹介する前に日本の会社が外国人労働者についてどんなことで苦労しているかを見ていきましょう。
株式会社スタディストが行った「外国人労働者の育成に関する課題調査」にて
5年以内に外国人労働者の育成に関わった男女735人の回答が寄せられています。
出展:
8割以上が育成に苦労…外国人労働者と“共生”するために一番やってはいけないこと
https://www.fnn.jp/articles/-/8704
(調査実施時期:1月18~20日)
(調査対象:
建設業・製造業・卸売業・小売業・宿泊業・飲食サービス業のいずれかに勤務)
こちらを見ると、苦労したことのTOP3は、
①「コミュニケーションが取りづらかった」
②「口頭での指示が正しく伝わらなかった」
③「生活習慣や文化の違いに戸惑った」
となっています。
このことから外国人労働者との間でコミュニケーションを十分に取ることや
生活習慣や文化などの相互理解が重要であることが分かります。
これを踏まえて、外国人アルバイト採用時の注意点3つを見ていきましょう。
外国人アルバイト採用時の注意点
注意点①:日本語のコミュニケーションレベル
まずは一番大きな苦労のポイントでもある「日本語のコミュニケーションレベル」です。
その中でもとりわけ、日本語でのコミュニケーションが円滑にできることは日本の会社において
同じ職場で一緒に仕事をしていくうえで必須条件であると言えるでしょう。
ではどうやって日本語コミュニケーションが円滑にできるかを評価すれば良いのか?
例えば、日本語を母国語としていない外国人の日本語能力を測る、日本語能力試験(JLPT)があります。(日本語能力試験(JLPT)HP:https://www.jlpt.jp/)
日本語能力試験(JLPT)は世界最大規模の日本語試験とされており、2011年時点で世界約61万人の受験者数を誇ります。
また、N1、N2、N3、N4、N5の5つに分けられた”Nレベル”という基準があり、N5が最も簡単であり、N1が最も難しいものとなります。
N5は基本的な日本語をある程度理解することができるレベルである一方、N1は幅広い場面で使われる日本語を理解できるレベルです。
なお、日本の一般的な会社でアルバイトとして働くためには、少なくとも”N2”レベルが必要だとされています。
あくまで試験であるため、N2レベルに達していないと必ずしも日本語コミュニケーションが円滑にできないわけではないものの、1つの評価指標にはなりうると考えられます。
日本語コミュニケーションが柔軟に行える外国人アルバイトを雇用することで、
他の社員とコミュニケーションが取りやすくなり、口頭での指示がより正しく伝わる為、
業務の進行・管理もスムーズになるでしょう。
注意点②:文化や慣習の違いの相互理解と教育
次に「文化や慣習の違いの相互理解と教育」です。
私達日本人にとっての当たり前と、外国人アルバイトの方達にとっての当たり前は異なります。
したがって、外国人の文化や慣習を理解していないことによって、想定外の認識違いや思わぬトラブルを招くことが考えられます。
例えば、日本人は自分の考えを率直に言わずにオブラートに包んだり、遠回しに伝えたりすることが美徳とされる一面もありますが、外国人の場合は自分の意見を真っ直ぐそのまま相手に伝える傾向がある為、他の社員が戸惑ってしまうことや外国人アルバイトの居心地が悪くなってしまい、職場に定着しないことなどが考えられます。
したがって、他の社員との摩擦を最低限にしつつ、外国人アルバイトも自分らしく、心地よく働いてもらう為にも、文化や慣習の相互理解は非常に重要です。
注意点③:外国人アルバイトの受け入れ体制の整備
そして最後に「外国人アルバイトの受け入れ体制の整備」です。
会社側として外国人労働者の受け入れ体制が出来ていないと、現場が動揺することに加えて、仮に優秀な外国人を採用したとしても職場に馴染めないまま離職となってしまう可能性が高くなってしまいます。
それを防ぐためにも大きく分けて2つの体制を整備する必要があります。
・外国人とのコミュニケーション体制
外国人アルバイトを採用する前に、現場には事前に連絡した上で採用を進めることが
重要です。どんな外国人を採用するのか現場に伝え、コミュニケーションの仕方など
を事前に教えることで、現場に外国人アルバイトが入ってきた時には外国人と
スムーズにコミュニケーションを取れる社内体制を整備できている状況にすることが
望ましいです。
・外国人の育成体制
外国人アルバイトも日本人アルバイトと同じように育成することで現場の貴重な戦力
になります。しかし、日本人なら細かく説明しなくても当たり前に分かるようなこと
も、外国人にはなかなか伝わらない・伝わりづらいことも現実です。
したがって、かなり細かく指導する必要があることを前提に、指導できる人員を
事前に現場に拡充することや指導できる人員の手が空くように業務を調整すること
などによって、外国人アルバイトが現場に入ってきた時に十分な指導をして、早期に
戦力化出来る体制を作っておく必要があります。
まとめ
ここまで外国人アルバイトを採用するときの注意点を3つご紹介してきました。
上記の注意点を踏まえて対応することで、外国人アルバイトを採用する際に発生しがちなトラブルは避けられる可能性が高くなります。
外国人とのコミュニケーションを円滑に取れるようにしつつ、相互に文化・慣習を理解し合い、外国人アルバイトの受け入れ体制を整え、外国人アルバイトを積極的に活用していきましょう。