外国人採用、外国人労働者受け入れのメリットは本当?分類でわかりやすくなりました!

こんにちは、A global harmony の木村ばくです。今回は、外国人採用のメリットについてを検討してみたいと思います。

よく業者がいう「外国人採用のメリット」は本当か?

外国人雇用に携わる企業のWebサイトには「外国人採用のメリット」といったコンテンツがよくありますよね。「外国人を雇用することで、こんなメリットがあります!」という内容のアレです。

その中で挙がってくるのは大体以下のような内容です。

1.多言語対応ができるようになる
2.優秀な人材が獲得しやすい
3.若手が集まりやすい
4.海外進出がしやすくなる
5.社内が活性化する
6.様々なアイデアが生まれる

正直、外国人採用がビジネスの業者が言うメリットですので、ポジショントーク感が満載なんですよね!

そこで、今回はそれぞれのメリットが本当なのかどうかをここで書きたいと思います。

「外国人」と一括りにはできない

本題に入る前に、大事な注意点があります。

外国人といっても様々なタイプの外国人がいますので、とてもじゃないですが一括りにして語ることはできません。

けれども、「人それぞれです!」と言ってしまうと全て終わってしまいます。

どうすればいいのか色々考えてみた結果、縦軸と横軸を作って分類するとわかりやすいということを発見しました。

縦軸は日本語レベル、横軸は仕事のスキルです。

外国人労働者の分類マトリクス

今後も色々な場面で活用できそうなマトリクスができました!

「外国人採用・外国人労働者受け入れのメリット」も分類すると、スッキリ納得です。

各分類の外国人を雇用するメリット(マトリクス)

1.スター

専門知識や業務経験が豊富で日本語も上手

最も能力が高いカテゴリーの外国人労働者です。「外国人労働者」という言葉よりも「グローバル人材」という言葉の方が適切でしょうか。給与も高いです。

高いレベルの日本語能力に加え、専門知識・経験(IT、マーケティング、科学、経理、経営等)を十分に有している外国人です。

メリット沢山!様々な場面で大活躍

知識、経験、各国の比較から新しいアイデアを生み出せます。多言語の対応はもちろん可能ですが、どちらかというと対応する仕組みを作ったり、管理する側の立場の外国人です。トップレベルの人材になると、どこの国のどこの都市でどんな仕事をするか、グローバルな選択肢を持っていますので「獲得しやすい」とは言い難くなります。

所有している在留資格(ビザ)の例:
「技術・人文知識・国際業務」「高度専門職(高度人材)」「経営・管理」「企業内転勤」「特定活動(難民申請中/難民認定)」

2.エキスパート

日本語は不十分だが専門知識や業務経験が豊富

職場の標準言語が英語の場合には、日本語の不自由さはあまり関係ありません。外資系企業の日本マーケット担当者やIT企業でプログラマーとして働く外国人が多いです。

組織にグローバルな視点を提供

母国の業界事情にも精通していることが多いので、母国の状況と日本の状況を比較したり、組み合わせて考えることで様々なアイデアや意見が出せます。

所有している在留資格(ビザ)の例:
「技術・人文知識・国際業務」「企業内転勤」

3.エリート

日本語は上手だが専門知識や業務経験がない

大学や大学院で日本語を学んでいる在学中の学生や、業務経験がまだ十分でない若手社員がこのカテゴリーに入ります。母国語と日本語、英語の3言語を話す学生や、日本以外(アメリカ等)にも留学経験がある外国人もいます。

留学生の場合は、ブランドストアでの接客や免税店での販売等、語学力を活かしたアルバイトをすることが多いです。正社員として就職する際にも「強みである語学力を活かした仕事がしたい」と考えている場合が多いです。

中小企業でも優秀な若手が獲得可能

超一流企業に行くようなスペックの新卒社員が、地方の中小企業でも採用できます。

日本独自の「新卒採用」という制度に馴染めないエリートが実はとても多く、ほとんどの留学生が新卒就職で苦戦しています。(参考:外国人留学生の就職活動状況(2019.8月発行)-株式会社ディスコキャリタスリサーチ

国籍による募集制限は法律で禁止されています。けれども、外国人を採用しないと決めている企業が多いです。だからこそ、地方の中小企業でも、アプローチが届けば優秀な留学生を採用可能です。

なお、海外進出の中心人物になったり、事業に関する様々なアイデアが出るようになるのは、十分な社会人経験を積んだ後です。

所有している在留資格(ビザ)の例:
「留学」「技術・人文知識・国際業務」「特定活動(インターンシップ)」

4.ルーキー

日本語はまだ上手く話せず、専門知識や業務経験もない

日々、日本語の勉強を重ね、「2.エキスパート」や「3.エリート」のポジションに近づけれるよう頑張っている外国人です。

若くて元気!買い手市場です

日本語能力がまだ低く、専門知識や経験もありません。けれども、若くて意欲的な外国人が多いです。実際のところは、低い賃金でも働き手を集められる点がメリットと考えている経営者が多いです。留学生や就労制限がない外国人で、日本語レベルを問わない仕事を探している人は多勢います。基本的には買い手市場です。働きたい人がいっぱいいます。

所有している在留資格(ビザ)の例:
「留学」「技能実習」
(※ 技能実習生は転職できません)

5.出稼ぎ

とにかくすぐに稼ぎたい外国人

日本語の上達にあまり関心がない外国人や、日本にいる期間に制限がある外国人、経済的な事情のために時間の限り働かざるをえない外国人です。

渡航費や留学先の学校の学費を支払うため、借金をしてきた方も珍しくありません。(就労目的での留学、難民申請の問題の是非ついては、ここでは触れません。)

仕事への意欲は最高レベル

語学力の向上や専門知識の学習よりも、すぐに現金が欲しい外国人です。稼いだお金は母国の家族に送ります。仕事への意欲という点でいうと、最も高いタイプの外国人です。

所有している在留資格(ビザ)の例:
「留学」「技能実習」「特定活動(難民申請中/難民認定)」「特定技能」

「4.ルーキー」か「5.出稼ぎ」かは、母国の家庭の経済状況が大きく関係します。

タイプごとに享受できるメリットが異なる

外国人採用・外国人労働者の受け入れには、十分なメリットがあります。けれども、タイプごとに享受できるメリットが異なるという点にご注意ください。今回、4分類に分けて考えてみましたが、より細かく分けることも可能です。

また、今回の分類はあくまでマクロで見たときの大まかな傾向ですので、ルーキークラスの外国人が、良いアイデアが出せなかったり、海外進出に全く貢献できないというわけではありません。

一つの目安、参考材料として、外国人採用を進めていただけたらと思います。

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