「外国人を採用したいが、手続きが難しそう」「雇用の手続きに何が必要かよくわからない」
外国人採用がはじめての企業にとっては、少し難しく感じる部分もあるかもしれません。ここでは外国人を採用し、雇用するための基本的な手続きや手順を紹介します。
外国人を雇用するためのフロー
基本的には上記の3ステップです。それぞれ詳細に見ていきましょう。
1 在留資格の確認
まずは、在留資格の確認です。外国人本人より在留カードとパスポートを見せてもらい、コピーを取りましょう。在留資格によっては雇用できない場合があります。
※ ここでは主要な在留資格のみ表記しています。
「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」
仕事内容や勤務時間に制限はありません。
「技術・人文知識・国際業務」「技能」
専門的な能力を持つ外国人に付与される在留資格です。正社員勤務が前提で、在留資格の申請時に承認を受けた業務のみしかできません。
「留学」「家族滞在」
在留の主目的が就労でない在留資格です。
許可を受けることにより、週28時間(長期休暇時は週40時間)等、勤務可能な時間に制限があります。
また、風俗営業等は不可です。
特定活動
就労が可能な場合も不可能な場合もあります。個別に異なるため、毎回どのような特定活動かを確認する必要があります。
短期滞在
短期的な滞在のための在留資格(主には旅行のための在留資格)です。就労はできません。
特定技能
特定の業務のみが可能な在留資格です。企業は必要な支援を実施し、報告する必要があります。自社で全てのサポートが実施できない場合は、支援業務の一部または全部を登録支援機関に委託します。
在留カードがない or 期限が切れている
在留カードを持っていない外国人を雇用することはできません。不法滞在と知っていながら雇用した場合や必要な確認を行わずに雇用した場合、雇用した企業も処罰の対象となります。
新しい仕事内容が現在の在留資格の範囲外
在留資格を更新する必要があります。学歴・職歴・実務経験などの本人の要件、仕事内容、安定性、過去の違反などの企業側の要件を満たす場合に、在留資格の更新が可能です。
2 行政機関へ申請
在留資格を更新する場合
以下の書類を準備して、入国管理局へ在留資格の更新の申請をします。
外国人本人が用意
- 在留資格認定証明書交付申請書
- 証明写真(縦4x横3センチ)
- 返信用封筒(宛先を明記して392円切手を貼り付けたもの)
- 学歴、職歴を証明する書類(卒業証明書、成績証明書あるいは過去の勤務先の在職証明書など)
- パスポートのコピー
- 履歴書・職務経歴書
企業が用意
- 雇用契約書
- 前年分の「法定調書合計表」のコピー(税務署の受付印があるもの)
- 登記事項証明書
- 定款(コピー)
- 会社案内パンフレット(またはWebサイトを印刷)
- 直近年度の決算書コピー
- 採用理由書・事業計画書など
転職の場合(在留資格そのまま)
「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を既に持っている外国人を雇用する場合等、直ちに在留資格の更新をする必要がない場合には、「就労資格証明書交付申請」をします。
外国人本人が用意
- 就労資格証明書交付申請書
- 在留カード
- パスポート
- 前職の退職証明書・源泉徴収票
- 学歴、職歴を証明する書類(卒業証明書、成績証明書あるいは過去の勤務先の在職証明書など)
- 本人の履歴書(学歴・職歴を記載したもの)
企業が用意
- 雇用契約書
- 前年分の「法定調書合計表」のコピー(税務署の受付印があるもの)
- 会社の登記事項証明書
- 会社の定款のコピー
- 会社案内またはホームページの写し
- 直近年度の決算書コピー
- 採用理由書・事業計画書など
アルバイト雇用の場合
留学生や家族滞在の外国人をアルバイトとして雇用する場合、必要な手続きはハローワークへの届出のみです。
外国人が雇用保険に入る場合、いつも通りの届出に必要事項を記入し、「別様式」の在留カード番号を記入することで、この届出を兼ねることができます。
雇用保険に入らない場合は、「外国人雇用状況届出書」に在留カード番号を記入してハローワークへ提出します。
3 正式に雇用決定
在留資格を更新する場合には、申請が通ることで正式に雇用決定です。申請の期間は、1〜2ヶ月程度の期間がかかります。申請が不許可になった場合でも、基本的には再申請が可能です。書類の内容を見直し、もう一度申請しましょう。
不許可になった場合に見直すべきポイントは以下の通りです。
- 学歴、職歴を証明する書類(卒業証明書、成績証明書あるいは過去の勤務先の在職証明書など)
- 本人の履歴書(学歴・職歴を記載したもの)
- 採用理由書・事業計画書など
- 雇用契約書
採用する理由と外国人の能力が合っていない場合は不許可になります。
「技術・人文知識・国際業務」の不許可例
- 通訳業務として採用 → 外国人の取得している資格が日本語能力試験N5。
- 40名規模の工場で通訳として採用 → 既に通訳として20名雇用している。
- マーケティング担当として雇用 → 関連の分野の学習経験や業務経験が無い。
在留資格の更新を申請する場合は、その在留資格が適切かどうかを確認した上で申請しましょう。
以上が、外国人を雇用するための基本的な手続き・フローです。最初は少し難しく感じるかもしれませんが、慣れればそれほど難しいものではありません。
もしも不安がある場合には、採用の段階からA global harmonyへご相談ください。募集〜入社まで、トータルでサポート可能です。